闇

 

池上彰さんが世界を変えた本として紹介した「資本論」。

一冊の本が世界を作り替え、人々に影響を与えることがあります。それゆえに非常に本を大事にしている池上さんが選んだ「資本論」。

今回はその本について池上さんが解説した話を紹介します。

 

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資本論

「資本論」はカール・マルクスによって150年以上前に書かれた本です。

マルクスは資本主義が如何に非人間的なものであるのかを分析し、そこから社会主義運動、共産主義運動が広がっていき、やがてソビエト社会主義共和国連邦が誕生し、それをモデルとして中華人民共和国、朝鮮民主主義人民共和国ができ、東ヨーロッパの国々が次々と社会主義の国へと変化していくという一大ムーブメントを巻き越しました。

改めて確認してみるとすごいことですね。世界を変えたといっても過言でないということが良くわかります。

この「資本論」は1867年の発売当初は発行部数1000部が全て売れるまでにものすごい時間を要したという記録があります。

しかし時を経て翻訳されて世界に広まり、日本語版は累計で400万部の冊数が売れたとされています。

 

ものすごい大ベストセラーとなるわけですが、そもそも何が書れているかというのは、資本主義を分析した内容です。その序盤の一説を紹介します。

 

資本主義生産様式が君臨する社会では、社会の富は「巨大な商品集合体」の姿をとって現われ、ひとつひとつの商品はその富の要素形態として現れる。

したがって、我々の研究は商品の分析から始まる。

 

これを噛み砕いて希釈すると「資本主義社会ではすべてが商品になっている」ということです。そうなるとひとつひとつの商品がどんなものか分析すれば全体像も見えてくるだろうということを言っています。

 

 

さて、では究極の問題です。

「愛情は金で買えるのか」

この池上さんの解説は大学の学生を対象に行われてもので、実際に講義の際に学生とやり取りをしていました。

その中では

「資本主義経済の下ではすべてが商品と言うことは愛情も変えるんじゃないかと思いました。」

「買える人もいるし買えない人もいると思います。金額次第ではなびいてしまうひともいるから。私はなびかないと思います。」

などの意見が出ました。しかし後者の意見を言った女性に池上さんが「じゃあ好きな人はどんな貧乏でもいい?」と質問されると笑ながら黙ってしまいました。非常にリアルな対応かと思います。笑

 

ひとつ例を出します。

もしも彼がデートのために巨大なテーマパークを貸し切りにしてくれたらそれはそれは嬉しく思いませんか?

自分のことを愛してくれているからだと・・・。

しかし、それを巨額の富がなければなしえないこと。つまり結果的に愛情を買うといいうことになるのであろうか・・・。

 

この講義の中ではこの問題についての答えは出さずに終えましたが、池上さんが何を言いたかったのかと言うと、愛情という商品になりえないように思うものでも、危うい立場にある・・・・資本主義とは本当に全てが商品になって循環している社会なのだということです。

そしてその商品は「なぜ商品なのか?」ということを見ていくということがマルクスの資本論の論理立てになるのです。

 

 

商品の価値

マルクスは商品の価値を考えた時に二つの価値を見出しました。

①使用価値

一つ目の価値は「使用価値」。その商品をどのように使用することが出来るかということにおける価値です。

例えば高価なブランド物のシャツに対する「使用価値」とは何でしょうか。

シャツの使用価値を考えれば「着ること」ができるだけでその使用価値をまっとうできます。しかしブランド物は高価ですよね。

そこには「着心地がいい」、「性能がいい」、「ブランドのロゴがある」などの使用価値があるのです。

②交換価値

二つ目の価値は他の商品と交換できるという「交換価値」。

この交換価値と言うのは物と物はもちろん、お金とものも交換できます。そしてお金は金と交換出来ました。それが今の時代もお金がお金として存在している所以となっています。

 

 

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お金

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大昔は物々交換をしてものを調達していました。漁師は肉が食べたくなり、猟師は魚が食べたくなる・・・結果両者が出会うと物々交換が発生します。

しかし、これは偶然が重ならないと発生しませんよね。

ではどうするか。

みんなが欲しがるものにとりあえず変えておけばいいという考えに至ります。生ものなどは腐ってしまいますからね。そこで皆が欲しがる布や、保存のきく稲などが物々交換の仲介役になっていきます。

中国では子安貝がその仲介役に選ばれていました。それを象徴するかのように「財産」や「貴重品」、「賄賂」などおかにまつわる漢字には「貝」が入っていますよね。

この仲介役が金や銀などになり、やがてお金が誕生するのです。

 

容易に想像がつくかと思いますが、お金の誕生によってこの物々交換は爆発的にスムーズに行われるようになりました。しかし、マルクスはそれこそが危険であると説きました。

商品があり、それを売ってお金に換えます。そしてそのお金によってさらに商品を購入します。商品→お金→商品と言うサイクルです。

しかし、このサイクルに逆転現象が起きてきます。お金があって、商品を買い、その商品を売ることでお金を得ようとします。お金→商品→お金のサイクルです。

これはお金自体を増やそうとする動きに他なりません。つまり資本家ですね。

 

 

労働力の誕生

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さあ、このシステムでは前より価値を増やさなければいけません。それは労働力があってはじめてできることなのだということをマルクスは発見します。

ある商品の消費から価値を引き出すためには、貨幣所持者は流通圏内部すなわち市場において、その使用価値自体が価値の源泉となるような独特の性質を持つ商品を運良く発見する必要がある。

その商品は、現実にそれを消費すること自体が労働の対象化、すなわち価値創造となるような商品でなければならない。

そして事実、貨幣所持者は市場でこのような特殊な商品を発見する。

労働能力すなわち労働力がそれである。

商品の消費をすることでそれ以上の価値を見出すためには労働力が必要と言うことです。

 

 

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ある資本家が商品を作るためにお金を払って工場を建設しますが、それを建設しただけではできません。そこに労働力があって初めて目的の商品の生産が可能になります。

消費することで新たな価値を生み出すもの、それが労働力なのです。労働者の誕生です。

労働者は「労働力を売ること」を資本家と契約を結びます。一見物々交換をしており対等な印象を受けますが、これが奴隷のような扱いを生み、格差社会を形成していきます。

資本家は少しでも労働者を長く働かせることによって利益が上がります。そのため長時間労働を強いるようになり、労働者は学校などに通う時間が無くなってきて無知が広がります。

それによってさらに労働を強いることが容易な環境が生まれ、資本家はどんどん富を蓄積するのに対して労働者は貧困と無知が蓄積していくという非常に大きな格差が生まれるということです。

マルクスが資本主義を批判するミソの部分はここなのです。

 

今回はここまで。次回はマルクスを支持しながら自身は経営者として資本主義社会を批判した友人エンゲルスの話や、いよいよ社会主義についての話に移っていきます。


 

 

 

 

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平成生まれの思うこと

「資本論」を引用した部分の文章を読んだらわかりますが、非常に言い回しがややこしいですよね、笑

やはり哲学者、という印象が残りますが言っていることは確かにその通りですね。資本主義社会が根付いた今の時代の日本では、その社会構造を顧みたりはしませんが、なるほど再度良く見てみると労働者にとってあまりよろしくないスパイラルが巡っていますね。

しかし、同時に共産主義とか社会主義と聞くと何か嫌だなあという印象を受けますよね。笑

 

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そうした社会主義の真相、裏側なども次回は知れると思うので、サイト運営者ではありますがちょっと楽しみ・・・。笑