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池上彰さんが世界を変えた本として4冊目に紹介したのがケインズの「雇用、利子および貨幣の一般理論」。

資本主義経済が抱える問題点は克服できると説いた本にはいったい何が書かれているのでしょうか。

 

 

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今回はケインズの「雇用、利子および貨幣の一般理論」の解説は2回目になります。1回目の解説記事はこちら。

 

 

利子と利潤

1回目の解説の最後では、景気を上向きにできる政策としては公共事業による大規模な雇用の確保だけではなく、利子と利潤を活用する方法もあると記述しました。

では一体どのようにするのか・・・。

利子率は、銀行に預けておいたお金が増える率のことを指します。厳密にはもろもろありますが、ここでは単純にそうしておきます。

利潤率は事業に投資して利潤が上がる率を指します。

さあ、これによって景気が良くなるにはどのように活用すればいいのでしょうか。勘の言い方はもうお気づきでしょう。

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利子率が高いということは誰しもが「さあ、貯金せよ!」と銀行にお金を預けますよね?預けているだけで、お金が増えるのですから、そりゃあ預けますよ。

それに比べて事業に投資したことで利潤がその利子率よりも高い場合を考えてみてください。

 

例えば、利子率が5%で、利潤率が10%だったとしましょう。

あなたが使えるお金は100億円。

事業に投資した場合の利潤が10億円なのに対して、銀行に預けた場合の利子は5億円。

投資家たちはこぞって事業に投資するでしょう。

こうして貯蓄性向よりも、消費性向が高くなる社会が形成されるのです。

この率が逆の場合は、消費性向よりも貯蓄性向の方が高くなる社会が形成されるのです。しかし、そんな状況は景気が悪くなれば、当然引き起こされる現象です。

そんな時どうすればいいか・・・あえて利子率を下げてしまえばいいという発想になるのです。

これがケインズが提唱した景気対策なのです。

 

 

投資先

人為的に利子率を低くさせて、人々がお金を使うように仕向ける政策をするというのは分かったかと思いますが、その際に重要なのがどこに投資をすれば設けることが出来るのか、ということです。

株取引のプロが有望な投資先を発見する方法としてケインズが例えたのが「美人コンテスト」。

 

玄人筋の行う投資は、投票者が100枚の写真の中から、最も容貌の美しい6人を選び、その選択が投票者全体の平均的な好みに最も近かった者に、商品が与えらえるという新聞投票に見立てることが出来よう。

この場合、各投票者は彼自身が最も美しいと思う容貌を選ぶのではなく、他の投票者の好みに最もよく合うと思う容貌を選択しなければならず、しかも投票者のすべてが問題を同じ観点から眺めているのである。

 

このケインズが提唱している美人コンテストというのは、我々になじんだ手法ではないですよね。

一般的な美人コンテストは自分の好みに基づいて美人だと思う人に対して投票を行います。

しかし、当時は新聞会社が発行部数を増やそうとして美人コンテストを行っており、その中で最も獲得票数の多かった人に投票した人には賞金が出るような仕組みで掲載していたそうです。

 

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そのため、当然自分の好みと言うよりかは、「1位になりそうな人」に投票が集まるということです。

 

 

日本でも美人コンテストに非常に近いイベントが行われていますね。

AKB総選挙です。笑

この総選挙においても、1位になった人に投票した人に対して、何かプレゼントがあるということになれば、現在行われている投票基準とは違った投票基準を持った投票者も出現してくるということです。

 

つまり、株価が上がっている会社に投資をする、株価が上がっている分野に投資をする、または企業がその分野に進出してくるという現象が起きることと似ているということをケインズは言っているのです。

人気がある企業ほど利潤率が高く、利潤率が高い所に投資をするという分析です。

 

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ハーヴェイ・ロードの前提が崩れた

さーて、「雇用、利子および貨幣の一般理論」解説①を見ていただいた人は覚えのある画像かと思います。

 

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国が一時的に借金をして、公共事業に投資をすることで、ある企業・分野が熱くなり、そこに投資があつまります。

こうして企業と個人が潤って、税収が増え、国家の借金は返済されるというのがケインズの分析でした。

これが実際この通りになっているのかというと・・・そうではないというのは借金大国である日本に住んでいる我々ならば非常に敏感な部分ですよね。

これを「ハーヴェイ・ロードの前提」が崩れたと表現します。ハーヴェイ・ロードはケインズの生まれた街にある道。

 

「ハーヴェイ・ロードの前提」というのはつまり、税収が増えれば借金を返すだろうということです。

 

ケインズは生まれてから知識人に囲まれていたために、合理的・理性的に人間が行動すると思い込んでいたのです。そのため、実際には国家の借金は返済されない現実があるのです。

 

この理由として考えられるのは、急に公共事業を廃止すると、有権者の反発が起こり、それによって票を得られなくなってしまうのではないかと恐れた政治家が、公共事業を続けてしまうことにあります。

その結果、財政赤字は増えていくという結果をもたらすのです。

 

そのため、ケインズの提唱した考えからは脱却しようとする「新自由主義」という考え方が普及し始めています。

新自由主義は政府の規制を緩和・撤廃して民間の自由な活力に任せ、成長を促そうとする経済政策のことです。

ケインズのお蔭で、深刻な恐慌はお粉らなくなったのですが、その反面、財政赤字を垂れ流す結果をもたらしたため、ケインズは死んだと評する人もいるというのが現状です。

 

 

ギリシャ危機が起こった理由

ケインズが提唱している景気対策としては、政府が歳入や歳出を増減させることで国の総需要の調整を図る「財政政策」と、金利や通貨供給量の調整で物価の安定を図り、経済の動きを調整する「金融政策」の二つしかないことは、ここまで読んでいただければわかるかと思います。

日本で経済危機が起これば、中央銀行は金利を0にして、それでもだめならば量的緩和政策をとります。これが金融政策。

そして、アベノミクスのように公共事業を増やして対処をします。これが財政政策。

 

 

これがEU・・・とりわけ共通通過ユーロを使用しているという特殊な状況において考えまず。EUには28か国加盟していますが、そのうち19か国がユーロを導入しています。

加盟国によって経済状況は当然異なりますよね。

しかし、ユーロはドイツにあるECB(欧州中央銀行)で調整されています。ユーロ導入国からはそれぞれの金利の要望が出てきます。

これをどう調整するのかと言うと、だいたい中間値をとるということになります。その結果、経済が好調な国では、投資が非常に増えてますます経済が好調になる傾向が見られます。

しかし、財政が厳しい国にとっては十分に金利が下がりきらず、景気対策を「財政政策」のみで対処するしかないという状況に陥ります。

その結果、ギリシャではじゃんじゃん借金をし、公共事業を行う政策が取られ、最終的に国が返済できる容量を超えた借金をしてしまったのです。

 

 

さらに時代を深刻化させたのは、政府の嘘の申告。

ユーロを導入する時点で上記のように財政政策にしか頼ることができなくなるというのは目に見えていました。そのため、EU加盟国の条件として、そもそも財政赤字が少ないことが条件にありました。

財政赤字が対GDP比3%以内という条件です。加盟した当初からギリシャはいろんなデータをみつくろっていたようです。

これが2009年の際には3.7%と申告されていたのにもかかわらず、実際のところは政権交代により12.7%だと発覚。さらにEU加盟国による調査では13.6%だと判明。

その額は43兆円。

ここで「?」と思う人もいるでしょう。そう、日本の借金は1000兆円以上。

これは日本の経済が強いことを示しているのか・・・終わってるフラグなのか・・・。汗

 

 

 

 

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平成生まれの思うこと

非常に怖い感じで終わりましたね。笑

にしても・・・政府って本当に頼りないなあと感じてしまいます。人気取りのために財政赤字を増やすとか・・・まあ、それが人間の心理なのかな。

人気を得て、また政治家に慣れれば個人の富は増えますからね。

国家の借金は関係なし!ってなるだろうとは思いますが、国家のことを考えるのが政治家なんじゃないのかー!!!と有権者の主張を訴えてみる。

おそらく、社会を形成して集団で生きようとした時点からいろんなことが間違っているのかな・・・。笑

人間って難しいですよねー。

 

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生きずらい世の中ですよねー。