名古屋の名城大学にて池上さんが「世界を変えた本」と題して講義を行いました。今回はそこで紹介された本を紹介していきます。
まずはそもそも池上さんが名城大学で講義をするに至った経緯を簡単ではありますが紹介させていただきます。
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池上さんを招いたのは名城大学経済学部の渋井康弘教授。渋井教授の狙いとして「知的好奇心を如何に掻き立てさせるか」という意図があったそうです。
ベストセラーとなった古典の本などを自分の目で読み、その結論を受け入れるにしても拒絶するにしてもまずはとにかく読んでみてほしいという思いがありました。しかし、現代の学生はその古典についてタイトルも知らないという状況があるため、池上さんにその紹介を依頼したという経緯があったのです。
こうした動きによって、それが経済につながらなくてもいいと渋井教授は言います。しかし、人間として考えるべき問題をとことん考えるような学生になってくれることを望んでいるのですね。
池上さんが解説した内容を紹介した記事もリンクで貼っておきますので、興味があればご覧ください。
第1回 聖書
1回目は聖書について池上さんは解説しました。
キリスト教がどのように分裂してきたのか、それによって現代の経済事情にどのような影響が与えられているのか・・・。
日本は無宗教の考え方もあるため、聖書を読んでいない人は多くいますが、世界的に見たら読んでいて当たり前と言われる1冊。
いろんなところで聖書の節を引用している部分もあり、それを知っているか知っていないかで全く捉え方が違ってしまいます。
これを機に手に取ってみることをお勧めします。
旧約聖書
![]() 文語訳旧約聖書(1) |
この契約の書として旧約聖書は成り立っています。「旧約」=「古い契約」という意味合いで、ユダヤ教徒の聖典として存在します。
価格 | 1,166円 |
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ページ数 | 473p |
新約聖書
![]() 文語訳新約聖書 |
実は旧約聖書とはその意味合いが全く違うこと、ご存知でした?
価格 | 2,484円 |
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ページ数 | 786p |
第2回 マルクス著「資本論」
我々が当たり前のように接している「資本主義経済」。
しかし、この形態は様々な問題点を抱えていることをご存知でしたか?そうしたことを世界的に初めて提唱したのがこのマルクスが執筆した「資本論」。
資本主義経済の反対の形態として存在している「社会主義経済」の国家がが続々と誕生するきっかけとなった一冊でもあります。
「資本論」
![]() 資本論(1) [ カルル・ハインリヒ・マルクス ] |
時を経て翻訳されて世界に広まり、日本語版は累計で400万部の冊数が売れたとされています。
しかし、その影響力は今もなお続いており、現代の経済学者の基本となっています。
価格 | 907円 |
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ページ数 | 307p |
著者 | マルクス |
第三回 マックス・ウェーバー著「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」
世界的に見たら、なぜかキリスト教の中で経済の成長性が違うように分析できます。
その中で特にプロテスタントと言われる派閥に焦点を当てると、これが資本主義経済とマッチしており、経済的に充実している国が多いのです。
と、いうか経済的に危機を迎えている国にプロテスタントが入っていないという方が正しいですね。
ヨーロッパでは2013年ごろに経済危機と言うものがありました。その際に経済的に危機を迎えた国の頭文字をとって「PIIGS」という「豚」のスペルを少しもじったような侮蔑的な言い方が成されました。
この国を全て言えるでしょうか・・・?
答えは
P:ポルトガル
I:アイルランド
I:イタリア
G:ギリシャ
S:スペイン
プロテスタントではない国々なのです。その理由が何なのか・・・そんな分析、興味ありませんか?
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」
![]() プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 [ マックス・ヴェーバー ] |
プロテスタントがどのような経緯で誕生したのか・・・それによって、プロテスタントの思考を分析し、今の経済事情と照らし合わせた一冊。
資本主義と宗教的思想の相性とは・・・?
価格 | 2,592円 |
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ページ数 531p | 531p |
著者 | マックス・ウェーバ |
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第4回 ケインズ著「雇用、利子および貨幣の一般理論」
資本主義の問題はマルクス著の「資本論」にて十分書かれています。
それによって社会主義経済の体系をとった国が登場しましたが、ケインズは国の政策によって経済的危機を乗り越えることは可能だと説きました。
この提唱によって、アメリカの窮地が上向きになったという歴史もたどっており、まさに世界に影響を与えた一冊といえます。
「雇用、利子および貨幣の一般理論」
![]() 【送料無料】 雇用、利子および貨幣の一般理論 上 ワイド版岩波文庫 / ジョン・メーナード・ケ… |
ケインズが1936年に出版した本「雇用、利子および貨幣の一般理論」。
マルクスが執筆した「資本論」では、資本主義経済によって一方に富の蓄積があり、一方では貧困の蓄積があり、その差はどんどん開いていくことにつながる危険性を説きました。
しかし、ケインズは不況を食い止めたり、極端な恐慌になるのを何とか抑えるということは、政策によって実現可能であるということを示しました。
その分析がかかれた一冊。
ピラミッドとも意外な関係性が・・・!!!
価格 | 1,620円 |
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ページ数 | 403p |
著者 | ジョン・メーナード・ケインズ |
第5回 フリードマン著「資本主義と自由」
「資本主義と自由」を書いたミルトン・フリードマンはアメリカの経済学者で、「新自由主義」の思想を打ち出した人物です。
経済における「自由主義」というのはイギリスの経済学者であるアダム・スミスに起因する印象があります。
自分の利益のために働けば、自由にマーケットが回り、「見えざる手」によって導かれて経済がうまく回っていくと説きました。
まさに「雇用、利子および貨幣の一般理論」の著者であるケインズとは全く逆の思想を展開。
現在ではこのフリードマンの提唱した思想が政治にまで影響を与えるようになりました。
「資本主義と自由」
![]() 資本主義と自由 [ ミルトン・フリードマン ] |
じゃあ、なぜ、どのようにこのフリードマンの思想に影響されているのか・・・。
少々ぶっ飛んだ定説ですが、非常に影響力の強い一冊でしょう。
価格 | 2,592円 |
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ページ数 | 380p |
著者 | フリードマン |
第6回 レイチェル・カーソン著「沈黙の春」
レイチェル・カーソンは動物学を学び連邦政府漁業曲で働いて、海や自然に関する論文を執筆した人物です。
「沈黙の春」は1962年にアメリカ雑誌に連載されたものを単行本として出版したものです。出版した際には300万部も売れたそうです。
この本は環境汚染と言うものを最も先んじて提唱したものであり、戦後当時に大流行した農薬などに対して警鈴を鳴らしたことでも非常に有名です。
「沈黙の春」
![]() 沈黙の春改版 [ レーチェル・ルイス・カーソン ] |
世界の経済、産業が著しく伸びていた時代に、環境汚染を真っ先に説いた人物であり、一冊として非常に有名です。
この一冊によって、国が動くことになったためまさに世界を変えた一冊です。
どんどんと環境が変わり、生物が減っていき「沈黙の春」がやってくるという書き出しの一節は非常に印象的な書き出しです。
この一冊によって国が動くこととなったため、まさに世界を変えた一冊であり今もなお語り継がれる一冊です。
価格 | 766円 |
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ページ数 | 394p |
著者 | レーチェル・ルイス・カーソン |
第7回 チャールズ・ダーウィン著「種の起源」
「人は神がつくったもの」
長年信じられてきた宗教的な思想をまさにぶち壊した一冊。
それゆえに今もなお、様々な意見が飛び交い、賛否両論がある説ですが、知れば知るほどに興味深いです。
「種の起源」
![]() 種の起源(上) [ チャールズ・ロバート・ダーウィン ] |
世界を震撼させた一冊ですが、意外と誤解が多い「進化論」。
そしてダーウィンは決して意固地になって自分の提唱した説を認めさせようとしているわけではないため、結構好感がもてたりもします。笑
価格 | 907円 |
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ページ数 | 423p |
著者 | チャールズ・ロバート・ダーウィン |
以上が池上さんが名城大学で紹介した「世界を変えた本」です。
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